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キモオタが語彙を焼失した話

 皆さんごきげんよう、まつかんです。Twitterでアンケートを取らせていただいて次の怪文書記事のネタを皆さんに伺っておいてアレなのですが、昨夜読んだラノベで語彙を焼失したので書き記していこうと思います。怪文書は鮮度が命ですからね。

 アンケートはどうなるの? とご心配いただいている皆さんはご安心ください。アンケートの結果に関わらず全て記事にはします。近いうちには。アンケートの結果で力の入り方が多少変わる程度です。

 

 昨夜私が読んでいたのは『継母の連れ子が元カノだった』(紙城境介著、イラスト/たかやKi角川スニーカー文庫より)の4巻。初めて聞いた人はまあこう思うことでしょう。“なんやねんその作者の性癖煮詰めたようなタイトルはw”と。まあ私も最初はそう思ったわけですよ。この作品との出会いはマジで思い出せないんですよね。コミカライズの試し読みが広告かなんかで流れてきたのを読んで買い始めたのか書店で半ば気まぐれに買ったのかどちらか今となっては判らないのですが、多分3巻が出た頃だったように思いますね。

 

 内容はまあ見たまんまですわ。父子家庭で育ってきた主人公と母子家庭で育ってきたヒロインが高校入学を機に両親の再婚できょうだいになったけどこいつら実は中学の時に付き合ってて別れてて、でもまあお互い未練があってみたいな感じでこの事実を周りに隠しながら過ごしていくような作品なわけです。

 流れもまあ各巻おおよそ同じです。なんか起こる、ヒロインが主人公を避ける、なんか起こる、ヒロインがデレる、主人公が軽く赤面するみたいな流れの良くも悪くもテンプレ、古き良き、って感じの流れのありがちなラブコメ作品です。

 3巻まで読んだ私の感想はまあ言っちゃうと普通でした。読んでる間は“こいつらもうさっさとヨリ戻せよ(ニチャア(キモオタ”って感じで、読みつつ、読後は“まあ続き追っかけるくらいはしてもいいな(唐突な上から目線)”って感じの作品だったのですが、4巻で化けました。ヤバかったです。語彙を失ったなんて甘いものじゃない。焼失しました。焼かれました。最近樋口に辻斬られたり伊理戸結女(本作のヒロイン)に語彙焼かれたりでもうメチャクチャだよ…

 

 ここから先は4巻のネタバレを含むのでご注意ください。

 

 水斗(主人公)の父親方の祖母の実家のある田舎に来た伊理戸家。ここで結女は水斗のルーツに触れていったりなんやかんやしたりしつつそこで水斗のはとこのおねーさんと出会うわけですが、まあありがちなことにこのヒロイン古今東西のラブコメヒロインの例に漏れずこのねーちゃんが水斗の初恋の相手なんじゃないかと勘違いするわけですわ。自分の言うことにはいちいち突っかかってくる水斗がこのねーちゃんの言うことは素直に聞き入れるのが面白くない。まあこの辺はありがちありがち。なんなら親の顔より見たまである(もっと親の顔見ろ)。で、水斗を避けて気まずくなるところまでもはやテンプレ。いいぞもっとやれ。

 で、このねーちゃんがおせっかいを焼いて2人を2人きりにさせて仲直りさせるんですけど(わあこれまたテンプレって感じ)、このシーンがね、まず良かったわけですわ。結女が水斗のことを感極まって伊理戸君、伊理戸君、と中学時代に付き合っていた時のように連呼しちゃうんですが結女の方も水斗が綾井(結女の家族の旧姓)と呼んでくれるなんてことは期待してないわけです。時が経って2人はきょうだいになったので。

 そしたら水斗がまあ当然ラブコメの主人公らしくこの時だけは付き合っていたころに戻って綾井、と呼んであげるんですけど、この描写がいいんですよね。電気すらつかない時計のない部屋で時間が判るのは水斗の手元のスマホのみ、というところを受けて綾井と呼んだ水斗の様子を見た結女は水斗がスマホの電源を切ってることに気づくんですね。時計のない部屋で時間を確認する術が水斗のスマホのみ、つまりこのスマホの電源が落ちてる以上今が何時で、なんなら何年で、何月で、何日なのか判らないわけです。

 

は????キッモ!!!(好き!!!!!!!!!!!!!!!!)今だけ昔に戻るから、というその言い訳に時計のない部屋でスマホの電源落とすとか作者天才か?????????普段何食ってたらそんなん思いつくねん??????????????????????????(錯乱)

 

…というわけでまあひとしきり泣いた結女はそこではとこのねーちゃん、もうめんどくさいし円香(奇しくも樋口と同じ名前ですね。どうでもいいですが)でいいや、が水斗の初恋の相手でもなんでもなく、水斗にとっても結女と付き合っていた時が初恋だったと判り、部屋が暗くて良かった、みたいなこと思うわけですわ。はいテンプレテンプレ(いいぞもっとやれ)。で、恐るべきはこのシーンがクライマックスの山場じゃないこと。マジでただ仲直りしました、程度の章でしかないところなんですね。

 田舎での最終日にみんなで縁日に行くんですが、花火の良く見える場所をとってあるから、というところで水斗がフラっと消えちゃうんですが、結女が毎年水斗が一人で花火を見ていた場所を見つけるんですね。このシーンがマジで最の高で、ここはマジで読んでもらうより他ないのですが、結女が花火の最中に唇を奪った後のモノローグがマジでヤバヤバのヤバ。私はここで語彙を焼失しました。もうまじむり…

 水斗への好意を改めて自覚した結女が、水斗の中に残る“綾井結女”を蹴落として“伊理戸結女”として口説き落とす、と宣戦布告するんですが、

 

作者マジでナニモンだよ???????過去の自分相手のヒロインレース展開さすな??????????

 

となってしまいもうダメでしたね。語彙が焼かれました。

はあ…好き……(こいついつも好意を自覚して宣戦布告するヒロインにやられてんな)

終わり(なげっぱ)